『Waltz For Debby』Bill Evans Trio

『ワルツ・フォー・デビイ』ビル・エヴァンス・トリオ


『Waltz For Debby』Bill Evans Trio

収録曲

1. My Foolish Heart
2. Waltz for Debby
3. Detour Ahead
4. My Romance
5. Some Other Time
6. Milestones

Bill Evans (p)
Scott LaFaro (b)
Paul Motian (ds)

録音:1961年6月25日
レーベル:Riverside

ディスクガイド

Portrait In Jazz』と並んで、かなりの人気を誇る一枚です。
ジャケットも部屋に飾りたい美しさ!おしゃれ!

Sunday At The Village Vanguard』は、6月25日に行われた同じライブの録音です。

アルバム名と同名の有名曲「Waltz For Debby」も収録。
他にも聴きやすいスタンダードナンバーや、仕組みが面白い曲で構成されていて無駄がありません。

レコードの針をおとして、最初の和音が鳴った瞬間にパァーっと空気が変わる、そんなアルバム。

初心者にオススメできる?

雰囲気も、バランス的にも、完成度的にも最初の一枚にぴったり
輸入版なら1000円前後でも買えちゃいます。おすすめ。

Pick up!!

1.My Foolish Heart
通常はB♭キーで演奏されることが多いと思われるこの曲。この演奏では半音下のAキーで演奏しています。
狙いは何だったのか…?本来の調よりも暖かみは感じます。
ウッド・ベースが開放弦を使いやすいキーでもありますね。

綺麗なボイシング、時々登場してアクセントとなっている2拍3連フレーズなど、ジャズ・バラード演奏のお手本としたいような名演だと思います。

4.My Romance
なんといっても聴きどころはイントロのルバート演奏。

ベースが入ってからの絡み方も楽しい。ピアノのアドリブ中も自由自在に動き回ります。
シンプルな4Beatのウォーキングベースになるのは、3分を過ぎてから。
この時の開放感もすごいです。

リハーモナイズにより、コードがかなりの速さで変わっていくのですが、
Bill Evansのアドリブのアプローチは、コードに追従というより、大きく水平に「Cキー」で捉えている部分が多い感じ。
要所要所にブルース・フレーズも使っています。
この人が歌心たっぷりに弾くブルース・フレーズは全くシブくない。むしろ愛嬌を感じる不思議。

6.Milestones
Miles Davis作曲のモード曲。
同じくモード中心の曲、『Kind of Blue』に収録されている「So What」ではゆったりと響きを聴かせるようなアドリブをとっていたBill Evans。
この演奏では8分音符中心でがっつりソロを弾いています。