『The Soft Land of Make Believe』Frank Minion

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『ザ・ソフト・ランド・オブ・メイク・ビリーヴ』フランク・ミニオン


『The Soft Land of Make Believe』Frank Minion

収録曲

10. All Blues
11. ‘Round Midnight
12. So What

10.〜.12以外にはBill Evansが参加していないため割愛。

Frank Minion (vo)
Bill Evans (p)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (ds)

録音:1960年1月

ディスクガイド

失礼ながら吹き出さずには聴けない一枚?
「ヴォーカルによって再現される名曲、名演」、という感じのコンセプト・アルバムなんでしょうか。

当時のジャズ・ミュージシャンの多くは、経済的に安定しているとは言い難い状態だったようです。そのためなのかどうかは分かりませんが、何故この仕事を引き受けたんだ?と言わざるを得ないいような録音が結構残されていたりします。
これもそんな一枚。

とりあえず「All Blues」や「So What」を再生してみたら、ジャズリスナーならみんな「おおっ!!」っとなるはず。なぜなら、伝説の『Kind Of Blue』でのイントロがほぼそのまま再現されているのですから。
しかも単なるカバーではなく、メンバーも『Kind Of Blue』での演奏時そのまま。贅沢な本物による再演。
…と期待を膨らませて聴いていると、突然聴こえてくる調子はずれな歌声!
しかもばっちり歌詞がついている。そしてオーバーダビングによるものなのか、旋律以外の和音も歌で再現している。何なのこれは。

(本当に失礼ながら)ネタとしか思えないこの録音。しかしネタだと片付けてしまってはもったいない要素もしっかりあるのです。
まずはこの時期にこのメンバーで演奏しているという希少さ。
しばらく前にBill EvansはMilesバンドを脱退し、ピアノはWynton Kellyに代わっている時期。『Kind Of Blue』録音時は、アルバム制作中限定で呼び戻されていましたが、あくまで一時的なもの。

そして『Kind Of Blue』の「So What」では、ColtraneとCannonballによるたっぷりなサックスソロの後なのもあって、ピアノソロはかなりあっさり終わります。Bill Evansがモード曲でどんなアプローチによるソロをとるのか気になるのに、そのあっさり具合に少しもやもやしたものです。
しかし、このアルバムでの演奏では、管楽器がいないためにやや長めのソロをとっているのです!
Kind Of Blue』と同様、和音の響きを聴かせるようなフレーズが多めですが、情報量が多い!いろいろ発見があります。

微妙に入手しにくい音源なので、安く再発されていたら在庫が無くなる前に買ってしまうと良いかも。
とりあえず話のネタとしても面白いと思います。

初心者にオススメできる?

初心者にオススメするようなタイプのアルバムではないです。
All Blues」「Round Midnight」「So What」のような曲が、ジャズの有名曲なんだと掴めてきた頃に聴いたら楽しめるかも。

Pick up!!

11. ‘Round Midnight
Miles Daivsのアルバム『‘Round About Midnight』での演奏の再現です。
Milesの吹いていたフレーズを声で完全になぞっている。
そして、あの有名なかっこいいキメまでもばっちり声で。

本家のキメは聴く度に鳥肌が立ちますが、こちらは聴く度にため息が出ます(?)。