『サム・アザー・タイム:ザ・ロスト・セッション・フロム・ザ・ブラック・フォレスト』ビル・エヴァンス
『Some Other Time: The Lost Session From The Black Forest』Bill Evans
収録曲
Disc 1
- You Go to My Head
- Very Early
- What Kind of Fool Am I?
- I’ll Remember April
- My Funny Valentine
- Baubles, Bangles & Beads
- Turn Out the Stars
- It Could Happen to You
- In a Sentimental Mood
- These Foolish Things
- Some Other Time
Disc 2
- You’re Gonna Hear From Me
- Walking Up
- Baubles, Bangles & Beads
- It’s Alright With Me [Incomplete]
- What Kind Of Fool Am I?
- How About You
- On Green Dolphin Street
- I Wonder Why
- Lover Man (Oh, Where Can You Be?)
- You’re Gonna Hear From Me [Alternate Take]
Personnel
Bill Evans (p)
Eddie Gomez (b)
Jack DeJohnette (ds)
録音：1968年6月20日
レーベル：Resonance Records
ディスクガイド
「Bill Evans史上、最強トリオのひとつ」と呼ばれる、Bill Evans、Eddie Gomez、Jack DeJohnetteの組み合わせ。
このメンバーで公式に聴けるのは、長らく『At the Montreux Jazz Festival』（1968年、グラミー賞受賞）だけとされてきました。
・・・と思いきや！ 実はそのわずか5日後、ドイツ南部の森の奥にあるMPSスタジオで、しっかりスタジオ録音を残していたことが発覚。
この『Some Other Time: The Lost Session from the Black Forest』は、その“幻のセッション”が半世紀近く経って奇跡的に発掘された、まさに歴史的アルバムです。
音の印象は、モントルーのライブと比べるとグッと落ち着いた雰囲気。ライブでは爆発するような即興の熱さが目立ちますが、このスタジオ盤では緻密でしなやかな会話をじっくり聴けます。録音環境の良さもあって音質はクリア。ドラムがやや小さめにミックスように感じることが多いのは惜しいですが、逆にBill EvansのタッチやEddie Gomezのベースの細やかさが際立っています。
ディスクは2枚組で、トリオ演奏だけでなくデュオ、さらにはソロピアノも収録。
「It’s Alright With Me」は未完成テイクですが、またひとつ、当時のBill Evansのソロピアノスタイルを研究する資料にはなりそう。
初心者にオススメできる？
発掘盤という性質上、「最初の一枚」としてはおすすめしません。ですが、Bill Evansの定番レパートリー（「My Funny Valentine」「On Green Dolphin Street」など）も収録されているので、聴きやすさは十分。
もし『At the Montreux Jazz Festival』を気に入ったなら、こちらもぜひチェックすべきです。ライブとは違う“静かな熱”を味わえます。
Pick up!!
Disc 2
2.Walking Up
『At the Montreux Jazz Festival』でも披露された曲。ライブの勢いある演奏に対し、こちらはより整理された印象。同じメンバーでも場が違うとここまで変わるのか！と驚かされます。
Disc2
On Green Dolphin Street
『1958 Miles』の頃から、トリオ編成も含めて、何度か録音されているこの曲。Bill Evansのアドリブは、いい意味でまとまりきらず、常に“今ここ”で生まれるライブ感があります。このトリオならではの推進力も感じられ、モントルー盤との聴き比べが楽しい一曲。
