『グリーン・ドルフィン・ストリート』ビル・エヴァンス
『On Green Dolphin Street』Bill Evans
収録曲
1. You and the Night and the Music
2. My Heart Stood Still
3. On Green Dolphin Street
4. How Am I to Know?
5. Woody ‘N You [Take 1]
6. Woody ‘N You [Take 2]
Bill Evans (p)
Paul Chambers (b)
Philly Joe Jones (ds)
録音:1959年1月19日
レーベル:Riverside
ディスクガイド
Chet Bakerのアルバム『Chet』(の2度目のセッション)と同日に録音されたもの。
ドラム、ベースは当時のMilesバントのリズム隊です。
Bill Evansも1958年4月頃よりMilesバンドに所属していたので、しばらく共演していた二人とのトリオということになります。
アルバム全体としては「インタープレイの全く無いBill Evansトリオ」というイメージ。
同じタイミングでレコーディングしていた『Chet』のやや気だるい感じに比べれば、はるかに元気な演奏なんですが、この後の三位一体なBill Evansトリオの演奏を知っていると、ひたすら職人的にキープしている感じのリズム隊がちょっと物足りなく感じます。
演奏はそれぞれ素晴らしい、でも、ピアノはピアノの役割を。ドラムはドラムの役割を。ベースも同様に務めるのみ。それ以上の奇跡は起こらなかったアルバムという印象ではあります。
初心者にオススメできる?
オススメできる内容です。
Bill Evansのトリオとしては何か物足りなさを感じるリズム隊の演奏ですが、裏を返せば堅実なプレイということ。
分かりやすさという意味ではこの後の4部作よりも良いのかも。
元気で聴きやすい曲も多いです。
Pick up!!
1. You and the Night and the Music
知っている限りでは、この日の『Chet』での録音が、この曲の初レコーディング。トリオではこのアルバムが初。
『Chet』でゆったりしすぎていたものをテンポアップして、かなり良い感じに。
ただ、この時点では凝ったアレンジは無しでジャムセッション的な演奏。
1962年の『Interplay』の頃にはかっこいいキメがついて、ラストライブまで何度も演奏されるレパートリーとなります。
“管楽器を含む編成にてダルいテンポで一度録音、その後テンポアップしてトリオで録音し生涯のレパートリー入り”という流れは、丁度「Nardis」と同じ!
3. On Green Dolphin Street
『1958 Miles』での演奏と同様、ソロのほとんどをブロックコードで演奏している。