『アイ・ウィル・セイ・グッドバイ』ビル・エヴァンス・トリオ
『I Will Say Goodbye』Bill Evans Trio
収録曲
1. I Will Say Goodbye
2. Dolphin Dance
3. Seascape
4. Peau Douce
5. I Will Say Goodbye (Take 2)
6. The Opener
7. Quiet Light
8. A House Is Not A Home
Bill Evans (p)
Eddie Gomez (b)
Eliot Zigmund (ds)
録音：1977年5月11日～13日
レーベル：Fantasy
ディスクガイド
晩年の主要な作品の一つ。
この辺りの時期から、暗い雰囲気を持つ曲のルバート演奏の割合が増えていきます。
今回で言えば「I Will Say Goodbye」「Seascape」、次作『You Must Believe In Spring』ならば「B Minor Waltz」「You Must Believe In Spring」「We Will Meet Again」など。
たくさんの身内が亡くなっていって、自身もあと３年の命という時期のこのアルバム。
どこか物悲しさを感じる演奏も多くなってきます。
高い完成度を誇る次作『You Must Believe In Spring』と比べると、こちらはやや選曲に寄せ集め感を感じます。
２回にわたって収録されている表題曲「I Will Say Goodbye」ですが、アナログレコードでの発売時にはA面とB面、両面の最初の曲となっていました。
大昔の『Everybody Digs Bill Evans』では両面の最後を「Epilogue」という小曲で締めていましたが、関連性を感じるような感じないような。
初心者にオススメできる？
定番のジャズスタンダードのような曲はほとんど入っていため、基本的にはあまりオススメできません。
ただ、この時期に特徴的なピアノのルバート演奏は、クラシックピアノに少し近い雰囲気もあります。
クラシックは好き！という方にはもしかしたらピンと来る部分があるかもしれません。
Pick up!!
2. Dolphin Dance
Herbie Hancock作曲によるもの。
「弟分」ということは全然ないけれど、Bill Evansのしばらく後にMilesバンドに参加していて、確実にBill Evansの影響も受けている「後輩(？)」の曲を取り上げているのが面白い。
コード的な部分とモード的な部分の混ざった、良く練られているこの曲。
Bill Evansは、無駄のないコードトーン中心の綺麗で素直なソロをとっています。
もう何年か後に、Herbie Hancock自身がピアノ・トリオ編成で”やりたい放題”な演奏をしているのと比べると、すさまじいコントラスト。
