※ソロピアノ=ピアノ1台のみの編成での演奏。
Bill Evans単独での演奏が好きな方、
ソロピアノスタイルを研究したいジャズピアニストの方、
静かなBGMがほしい方、そんな方のためのリストです。
完全なソロピアノ盤
『Alone』(1968)
決定盤!
個人的に、ダントツで好きな1枚。
収録曲は「Midnight Mood」「Never Let Me Go」他
『The Solo Sessions 1』
『The Solo Sessions 2』(1963)
60年代に録音されながらも、長く未公開だった音源。
『1』には「My Favorite Things(私のお気に入り)」を含むメドレー、
『2』には「Santa Claus Is Coming To Town(サンタが街にやってくる)」などなど。
定番スタンダードを中心に聴きやすい演奏。
『Alone(Again)』(1975)
タイトル的には『Alone』の続編。
といっても70年台半ばの録音で、演奏の雰囲気は結構変化している。
「The Touch Of Your Lips」「In Your Own Sweet Way」他5曲。
『The Universal Mind Of Bill Evans』(1966)
番外編。CDではなくDVDです。
兄であるHarry Evansとの対談が中心の映像作品。
「Vely Early」「Star Eyes」などの曲をソロスタイル演奏しています。手元が映る場面も多いので、スタイルの研究にはピッタリ!
ソロピアノ演奏が何曲か収録されている未発表音源集
『Eloquence』
70年代の未発表音源集。8曲中4曲(メドレー演奏しているので正確には7曲か)がソロピアノ音源。
「All Of You」「Since We Met」「But Not For Me」他
『Time Remembered』
62年録音のソロピアノ音源が4つ(「Danny Boy」「Like Someone In Love」「In Your Own Sweet Way」「Easy To Love」)と、なぜか『Everybody Digs Bill Evans』(1958)で録音された「Some Other Time」が収録。
その後には『At Shelly’s Manne-Hole』と同時期のライブでのトリオ演奏が詰まったアルバム。
続けて聴くとチグハグな内容ですが、お得といえばお得な1枚。
ソロピアノ演奏を含むアルバム
ベーシストのScott LaFaro存命時にはトリオのレパートリーだった「I Love You,Porgy」。
彼が亡くなってからは、この曲を度々ライブで一人演奏しています。
『At The Montreux Jazz Festival』
トリオでの傑作ライブ盤であり、ソロで演奏しているのは「I Love You,Porgy」1曲だけ※ですが、『Alone』とかなり近い時期の演奏。『Alone』の雰囲気を気に入ったのならぜひ。
※(CD盤のボーナストラックには「Quiet Now」のソロピアノ演奏もあり。)
それ以外にも『Homecoming』『The Paris Concert: Edition One』他、多数のライブ盤に一人で演奏した「I Love You,Porgy」が収録されています。
『We Will Meet Again』
亡き兄へ捧げた演奏。
「For All We Know (We May Never Meet Again)」「We Will Meet Again」がソロピアノ。
あまり、ジャズらしい雰囲気ではないかも。
『Bill Evans at Town Hall』
10分以上にも及ぶソロピアノ演奏。クラシックの小曲のようなものも含むメドレーになっています。
メドレー最後の「Epilogue」が好み。「Epilogue」は『Everybody Digs Bill Evans』にも収録されています。
『New Jazz Conceptions』
初のリーダー作。
「I Got It Bad And That Ain’t Good」「My Romance」「Waltz For Debby」の3曲を、テーマだけソロピアノで演奏。
『Everybody Digs Bill Evans』
2つ目のリーダー作。
「Lucky To Be Me」とA面、B面の最後に挟まれる小曲「Epilogue」、「Peace Piece」はピアノのみの演奏。
ちょっと特殊なもの
『Conversations With Myself』
自己との対話シリーズ。ピアノ多重録音によるものなので、ソロスタイルの勉強にはならない。
一部の曲で、Bill Evansには珍しいピアノによるウォーキングベースが聴ける。
『Further Conversations With Myself』『New Conversations』と続きます。
『Practice Tape No.1』
70年代、自宅での練習音源。
『Tenderly』(1956,1957)
ヴィブラフォン奏者との未発表音源集。
公式な録音ではなく、時折会話も挟まるリラックしたセッション。
50年代のソロピアノが聴けることが貴重な1枚。
『Very Early Volume 1』
デビュー前の音源。音質に難あり。若き日のクラシック曲演奏などを含む。
『Marian McPartland’s Piano Jazz Radio Broadcast』(1978)
女性ピアニストとのラジオ番組音源。
完全に一人で演奏している時間は少なめ。
それよりも、楽しそうな対談とピアノデュオ演奏が貴重かも。
Tony Bennettとのデュオ
『The Tony Bennett Bill Evans Album』
『Together Again』
男性ヴォーカルとのデュオ盤。
ソロピアノではありませんが、当然、歌っていない間はピアノ1台なわけです。
間奏に奏でられるピアノソロは、完全に一人で演奏している時と比べて良くも悪くも堅実。
ジャズピアノソロスタイルの研究用教材には良いのかも。音質もクリア。
もちろん、伴奏のスタイルについてもかなり勉強になるアルバム。
しっかり歌い上げるタイプの男性ヴォーカルが嫌いでなければ、BGMとしても良い雰囲気。
『Complete Tony Bennett Bill Evans Recordings』で、別テイクも含め全ての演奏を聴ける。