『Loose Blues』Bill Evans

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『ルース・ブルース』ビル・エヴァンス

『Loose Blues』Bill Evans
『Loose Blues』Bill Evans

収録曲

1.Loose Bloose
2.Loose Bloose [alternate take]
3.Time Remembered
4.Funkallero
5.My Bells”
6.There Came You
7.Fudgesickle Built for Four
8.Fun Ride

Personnel
Bill Evans (p)
Zoot Sims (ts)
Jim Hall (g)
Ron Carter (b)
Philly Joe Jones (ds)

録音:1962年8月21日、1962年8月22日

レーベル:Milestones

ディスクガイド

このアルバム『Loose Blues』の大きな特徴は、なんといっても全曲Bill Evansのオリジナル曲であるということ。Bill Evansは自作曲をよく取り上げるものの、アルバム全編がオリジナルで統一されているのはかなり珍しく、他には『The Bill Evans Album』ぐらいしか思い浮かびません。

さらに編成にも注目。サックスにZoot Sims、ギターにJim Hallという組み合わせで、これがまたBill Evansの音楽に独特の色を加えています。サックスを含む編成、そしてJim Hallが加わっている点では『Interplay』とも兄弟盤のような雰囲気を感じなくもない。

ただし録音されたのは1962年なのに、その時にはリリースされず、実際に世に出たのは20年後の1982年。さらに『Loose Blues』というタイトルで単独盤として整理されたのは1992年と、かなり遅れての登場でした。理由はレーベルの事情とのこと。録音を行ったRiversideが経営難に陥り、さらにVerveの名プロデューサーCreed TaylorがEvansを引き抜こうとしていたこともあり、このセッションはお蔵入りしてしまったらしいです。

ベースを担当しているのは若き日のRon Carter。Miles Davisバンドに正式加入する前の姿をここで聴けるのは、個人的には、非常に面白いポイントだと思っています。

初心者にオススメできる?

演奏はオーソドックスなハードバップ寄りで聴きやすさはあります。ただし有名スタンダード曲は一切なく、すべてEvans自身の書き下ろし。ジャズを聴き始めたばかりの人には、もう少し耳馴染みのある曲が入ったアルバム(たとえば『Waltz for Debby』『Portrait in Jazz』など)を先におすすめしたいところです。

逆にBill Evansの作曲家としての一面にスポットを当てたい人や、Evans+Zoot Simsという珍しい組み合わせに惹かれる人にはぜひ聴いてほしい一枚です。

Pick up!!

1.Loose Bloose
冒頭を飾るタイトル曲。ややこしいのですが、アルバムタイトルは Loose “Blues”、曲名は Loose “Bloose”。
曲自体は『Interplay』収録曲「Interplay」と共通点があり、特にギターとベースのユニゾンラインはそっくり。Zoot Simsのテナーが加わることで、Evansトリオ作品とはまた違うハードバップ的な力強さを感じさせます。]

2.Funkallero
Bill Evansが1950年代に書いたナンバーで、いくつかの録音を通じて成長していった楽曲。ここでは少し荒々しいアレンジが印象的です。
1956年録音の『Tenderly』収録音源(発表は2000年頃)、1964年録音の『Stan Getz & Bill Evans』(発表は1973年)、そして1971年の『The Bill Evans Album』収録版と、さまざまな形で残されているので聴き比べも面白いポイントです。