独断と偏見による用語解説。あんまりあてにしないで。
正しさよりも、このサイト上ではこういう意味で使っているよ!というのを重視してます。
あきらかな間違いがあれば連絡ください。
アドリブ
即興のこと。音楽用語としては、即興演奏のこと。
ジャズにおいては、各演奏者のアドリブパート=ソロのことを指す場合が多いでしょうか。
ウォーキングベース
拍ごとにボンボンボンボンッと鳴らすベースの弾き方。
普通はウッドベース(=アップライトベース、コントラバス)で弾きますが、エレキベースでやることもあります。
編成によってはピアニスト / オルガニストが左手で弾くことも。
上手なベーシストのウォーキングベースを聴くと、それだけでノリノリになれるよ!
歌伴(うたばん)
「歌の伴奏」の略。
文字なしに音で聴くと、歌番組のこと?と思ってしまうかも。
「ジャズ・ヴォーカル」は、いわゆるモダン・ジャズとは似て非なる分野の音楽。
アドリブ中心のジャズとは、大事にすべきポイントもバランスも変わってきます。
スキャットでソロをとる場合もありますが、基本的にテーマを歌い上げることがヴォーカリストの役割。その歌を、邪魔せず、良いバランスで引き立てることが伴奏の役目ではないかと。
Bill Evansは歌伴をしているアルバムも、わりと多いピアニストです。
そこで「歌心」を学んでいたようにも思います。
音質(おんしつ)
音の質。実際はいろんな意味がある。
まとめて「音質」と呼んでしまうので、”音質が良い or 悪い”と言う場合に、何を指しているのか分かりにくい場合が多いと思います。
一般的に「音質」が悪いと言った時に、例えばこんな要因が考えられます。
・マイクの品質が悪い、マイキング(マイクの位置やセッティング)が良くない
・マスターテープが劣化している
・録音環境の悪さ(隠し録りの場合も)
・ミックスが悪い
・デジタル化、リマスタリングの際に問題があった
さすがに、古いジャズには録音状態が良くないものも多いです。
コード進行
ジャズ界(?)では「チェンジ」と呼ぶこともありますが(コード進行→コード・チェンジ→チェンジ)、そこそこ音楽に詳しい人に「チェンジ」と言っても通じないことがあります。
「リズム・チェンジ」と言ったら「I Got Rhythm」で使われていた定番のコード進行の事。
単純にリズムを変えることも「リズム・チェンジ」と言う場合もあるのでややこしい。
コーラス
合唱のことや、音に広がりを与えるエフェクトのことを言う場合もありますが、ジャズにおいて「1コーラス」「2コーラス」のように数えて使う場合、アドリブを何周分演奏したか、という単位の意味です。
ブルースは基本的に12小節。多くの曲(例外も多い)は32小節で1コーラス。
コンボ / コンボ・ジャズ
対義語は「ビッグバンド」もしくは「フルバンド」かな。少人数編成のバンドのこと。
ずらーっと管楽器が並んでいるにぎやかな編成でやるものが「ビッグバンド・ジャズ」、小さなジャズ・バーやライブハウスで演奏している編成の方が「コンボ・ジャズ」。
「コンボ・ジャズ」の方が、アドリブ重視の音楽になる傾向があります。
循環
循環コード。
循環する定形コード進行の曲をこう呼びます。
基本がI – VI7 – IIm7 – V7のループでできているもの。
「I Got Rhythm」や「Oleo」が有名。
リズムにインパクトがあり過ぎて分かりにくいけれど、Bill Evansの「Five」も循環コードがベースとなっている曲。
ブルースと並んで、ジャムセッションでよく演奏されます。
どの曲だろうと、コード進行が基本的には(曲やアレンジによって、もしくはベーシストの判断で、微妙に変化することはある)一律であること、
コードを1つずつ追ってアドリブをするのは大変だけれど、基本的に全体をワンキーで捉えてアドリブをとることが多いので演奏しやすいことなどが理由。
ズージャ
ジャズのこと。ジャズをひっくり返して間を伸ばして。業界用語。
他には「ギター」→「ターギ」など。
「六本木」は「ギロッポン」となる。なんで。
現在、普段から使う人は少なく、あえて業界人風にふざけて言う時に使う用語になってるような気もします。
スタジオ盤
「ライブ盤」に対しての言葉。スタジオでのレコーディングによって制作された録音物のこと。
たくさんのテイクから収録するテイクを選べるため、完成度を上げやすい。
複数のテイクをテープ編集によってつなげることもあります。
スタジオ録音とライブでは、選曲や演奏の雰囲気をがらっと変えるミュージシャンもいます。
スタンダード・ナンバー
定番曲。たぶん和製英語。
その時流行していた映画音楽やミュージカルの曲が多い。シャンソンも。
原曲をあらためて聴くと、コード進行が驚くほどシンプルなものもあります。
誰かがアルバムで取り上げることによって、ジャズのスタンダードとして定着していくことも多い。
Bill Evansも”ジャズスタンダード化”にかなり貢献している人物ではないかと。
ソロ
各奏者へ順番に回ってくるアドリブパートのこと。
もちろん「単独」の意味でも使います。
「ソロ”を”演奏している」ならアドリブパートの意味。
「ソロ”で”演奏している」なら単独の意味。
ソロピアノ
「ピアノソロ」との混同がややこしい!
普通「ソロピアノ」と言えば、ピアニストが一人で演奏する編成のことを指すと思います。
「ピアノソロ」の方は、ピアニストのアドリブパートのこと。
普通の形態でのモダン・ジャズは、ドラムによるリズムの刻みとウォーキングベース、伴奏楽器によるバッキングの上でソロフレーズを展開することによって成り立っています。
ピアノ一台でジャズを演奏するには、アレンジになかなか工夫が必要。
「ソロピアノ」は、ジャズピアニストの個性がはっきりと出るスタイルでもあるのです。
ボーナストラック
オリジナルのアルバムには含まれていなかったトラックのこと。
レコード→CD化の際やCDを再発する際などに、付加価値をつけるためお蔵入りになっていた別テイクを収録する場合が多いと思います。
ただ、ボーナストラックによってしっかり練られたオリジナル盤の流れが崩れてしまうということも。
余談ですが、アマチュアバンドの自作CDには何故かボーナストラックが収録されていることが多い。
「おまけトラック」のような意味で使っているのだと思います。
リハーモナイズ
原曲とは違うコード進行にすること。
題材とする原曲(主に映画 / ミュージカルの音楽)は、ジャズとして演奏するにはコード進行がやや単純であったり、アドリブがとりにくかったりします。
それを、ジャズらしい進行に置き換えたり、面白い進行に変えたり。
略すときは「リハモ」と言います。
リリカル / リリシズム
lyrical / lyricism
「叙情的」という訳がよく当てられます。
ジャズの話題で「リリカル」という単語がでてきたら、十中八九 Bill Evansの話。(そんなこともない?)
ジャズ演奏に対する感想や批評を書く際、「覚えたら使いたくなってしまう単語」の一つかも。
「リリカルな演奏」なんて良く言います。
レーベル
有名どころは「Riverside」「Prestige」「Blue Note」「Verve」「Fantasy」などなど。
やはりレーベルによってカラー、方針があるようです。
買収、吸収する / されることもあるのでちょっとややこしい。
私はあまり詳しくありません。
レーベルごとの雰囲気を掴んできたら、いろんなミュージシャンのアルバムを買う際、「レーベルで選ぶ」という選択肢もでてきます。