『ウィー・ウィル・ミート・アゲイン』ビル・エヴァンス
『We Will Meet Again』 Bill Evans
収録曲
1. Comrade Conrad
2. Laurie
3. Bill’s Hit Tune
4. For All We Know (We May Never Meet Again)
5. Five
6. Only Child
7. Peri’s Scope
8. We Will Meet Again
Bill Evans (p)
Marc Johnson (b)
Joe LaBarbera (ds)
Tom Harrell (tp)
Larry Schneider (ts)
録音:1979年8月
レーベル:Warner Bros.
ディスクガイド
Bill Evans最後のスタジオ盤となるこのアルバムは、意外にもトリオ編成ではなくトランペット、サックスを加えたクインテット。
この録音の4ヶ月前、兄のHarry Evansが拳銃自殺しています。亡き兄に捧げたアルバム。
Bill Evans自身もこの録音の1年ほど後に亡くなります。
ちなみに、DVD『THE UNIVERSAL MIND OF BILL EVANS』には、その兄との対談も収録されています。(1966年制作)
晩年のBill Evansオリジナル曲は美しいものが多い。負の感情を想起させる儚げなメロディーの曲と、底抜けに明るい過去に作曲したオリジナル曲によって構成されています。しかし、5. Fiveや7. Peri’s Scopeの不思議なまでの明るさを、単に「元気な演奏」として捉えて良いものか。
「Five」は時折ライブで演奏していた曲で、管楽器入りの録音もあるにはあったのですが、「Peri’s Scope」の方はかなり新鮮な響き。
初心者にオススメできる?
音楽的にはシンプルなハード・バップですが、有名曲ではなくBill Evansオリジナル曲がほとんど。
そういう意味では、最初の一枚としてはオススメしにくいです。
ひと通り主要なアルバムを聴いた後になら、かなり楽しめること間違いなし!
Pick up!!
1. Comrade Conrad
Bill Evans後期のオリジナル曲の中では個人的に一番のお気に入り。
『The Bill Evans Album』にもトリオ編成での録音があります。
コーラスごとに4拍子と3拍子が切り替わり、転調もする仕掛けが、ソロイストが複数人いることでいい具合に機能しているように感じます。
『The Bill Evans Album』に収録されているテイクとは、スタートする調が違う!
3. Bill’s Hit Tune
聴きどころはEvansのソロ!エレピで弾き倒しています。
一般的にはアコースティックピアノのイメージが強いBill Evansですが、『From Left To Right』にはじまり、『The Bill Evans Album』や『Affinity』等、70年代のスタジオ盤では意外なほどエレピを使用しています。